新しく赴任した学校でのこと。
毎回の授業後に必ず私のところに寄ってくる女子がいました。
授業後は「教師と生徒」の関係ではなく、終わりのチャイムと同時に「人と人」の関係になるので、生徒達が雑談をしに「先生!先生~」と寄ってくるのですが
その子は毎回毎回私のところに来ていました。
不思議なことに、彼女は雑談をしに来ているのではなく
批判をしに来ているのです汗
それも、授業の内容や教え方に関してではなく
なんと、私の「服装」や「髪型」についての批判なのです(苦笑)
例えば
「今日のスカート短い~!(ひざ丈スカートに反応)
男子に好かれたいんでしょー?」
「フリルがついたブラウスなんて教師らしくない」
「このカーディガンだっさーい」
「先生、香水つけてる?学校にそんなのつけてきたらダメなんだよ」
(シャンプーの香りに反応)
これが多くの生徒から言われていた言葉だったら
単に私は生徒に嫌われていた・・・と見ていいかもしれませんが
多くの生徒は私に「大人の女性」を見て
いつも憧れのまなざしで見ていてくれていたのは
充分伝わってきていたからです。
なぜだろう?
そう思って、いつも批判しにくる彼女をじっと見てみると
寝癖のついたショートヘア、新入生のような長いスカート丈
白いハイソックス・・・という
言わば「生徒指導上は完璧」な生徒だったのですがあせる
他の女子生徒はおしゃれをしたい時期の真っただ中にいて
規則に触れない程度にスカート丈を短くし、
髪もツヤツヤにブローしてあり
前髪の分量や流れ方にも気を遣っているのが伝わってくるほどです。
ふーーーーん・・・・
ある時、またまた私の批判をしに来た彼女に
「○○ちゃんは家にいる時におしゃれしないの?」
と聞いてみました。
彼女は
「しないよ~!したくないし!」と言いました。
私は
「ええ~もったいない。○○ちゃん、すごく可愛いのに」
「おしゃれするのって楽しいよ!」 と言いました。
そしたらその子は
ぱーーーっと顔を真っ赤に染めてうつむいてしまったのです。
やっぱりな・・・・
と思いました。
その子は本当は
おしゃれしたい!
女の子を楽しみたい!
自由にしたい!
と思っているのに、それをぎゅーーっと押し込めていたのです。
それとは逆に私は
教師だから地味な格好をしなきゃとか
学校へはすっぴんで!とか
アイシャドーはブラウン系・・・などの
「教師のあるべき姿」
(これは実際に教育実習生や新採用マニュアルに書いてある)
では全然なくて・・・
好きな服装・髪型で居るタイプ。
そんな私に彼女は
チョーーーーー!!イラついたのでしょうね。
そして私が彼女に言った言葉で
彼女は「自分の本音」に気づいてしまいました
そう、「〇〇ちゃんは可愛いよ」「おしゃれって楽しいよ」
という言葉で。
それからの彼女はびっくりするほど変わりました。
自分にちょっと手をかけるようになったのです。
まず
髪に櫛を入れるようになりました。
ひざ上まであってスカートとつながっていて白タイツみたいになっていた
長い白ハイソックスをやめてひざ下までの黒ソックスをはくようになりました。
スカート丈がちょっと短くなりました。
そして心も変化したのがわかりました。
なぜか私に懐くようになったのです(笑)
「先生~先生~これ見て~!」
「先生~これ教えて~!」って。
もうかわいいったら(笑)
自分でも気づかなかった自分の本音に気づいたことで
すごく軽くなったのだと思います。
「自分が生まれた」記念日ですね~!!
そう、やはり自分のことはわからないものです。
自分のことが知りたかったらまわりを見るとわかります。
まわりに聞くとわかります。
きっと自分ではびっくりするような自分の本音を
そこに見ることができるでしょう。
余談ですが
私は女子が校則ギリギリのところでおしゃれしたくなる気持ち。
すごくわかります。
秘密だけど、女子に「アイブロウ」の仕方をレクチャーしてたこともあります
(校長先生にはナイショね 笑)
みんなで女性を楽しもうね
Anastasia
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