不安定な思春期の女子

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クラスの中に

スポーツ万能

明るくて少し中性的な魅力をもった子がいました。

多少、言葉は乱暴だけどみんなに好かれているさわやかな女の子です。

球技大会では大活躍!!

ドッヂボールやバスケ、バレーはこの子がいるだけで

他のクラスに勝ててしまうので、みんな大喜び!

そんな彼女が、ある時から突然

暗く沈んだ様子になってしまいました。

そして、しょっちゅう保健室に出入りします。

その理由は

「お腹が痛い」「頭が痛い」など、日によって変わります。

こういう時、担任としては

「友達関係かな?」

「家庭の事情かな?」

「好きな男の子のことかな?」

といろいろ考え、周りの子に聞いてみます。

いつもなら、何らかのヒントになる情報が得られるのに

この時ばかりは、誰に聞いても

「わからない・・・」「変わったことは何もない」

と言います。

家庭訪問をしてみると、お母さんからは

「少し元気が無いけど、最近始まった生理痛のせいでは??」

とのこと。

確かに、生理痛で保健室に行くことはあるけど

なんとなく、「痛み」だけではないような様子なんですよねー

私は

「うーん・・・いじめか?いじめが隠れているのか??」

とさらに調査を進めましたが

やっぱり何もない・・・

こんな毎日を送っているうちに、どんどん日が経ってしまい

暗く沈み始めてから一ヵ月になろうという時

放課後、その子を呼んで話そうと思い、

その子を相談室に呼びだしました。

(しつこく聞きだそうとすると嫌がるかな??)

という私の予想に反して、

その子は素直に相談室に来ました。

そこで、いろいろ話を聞いているうちに

生理が始まったことをお母さんに聞いていたので

「生理痛がひどいの??」と聞いてみました。

すると・・・

その子はわーーーーっと泣きだしたのです。

私は

「そうか、生理痛がきついから、
自分の体のどこかが悪いのかな?って思っていたんだね?」

と言いました。

でも

違ったんです。

その子は

「大人になるのがこわいの」

と言いました。

「え???」

「大人になるのって喜ばしいことだよ」

と私は安心させるために言いました。

すると

「私なんかが、
先生みたいにちゃんとした大人になれるかがこわいの!」

と・・・・

自分の胸の内を打ち明けてくれました。

「私なんか」が

「私なんか」・・・が

その子は自分を非常に低く見ていて

「こんな自分じゃちゃんとした大人になれない」

って思いこんでいて

生理がきた=大人になる=どうしよう!!!

という図式になっていたのです。

こうやって文章で表現すると

大人になるのがこわいって?そんなの勝手に大人になるから大丈夫!

って思ってしまいますが

思春期の子どもの悩みって

死にたくなるほど深刻なんです。

そこで、その子には

担任の私から見て、その子がいかに素敵な人なのか

私が中学生のころ、いかにダメダメだったのか(笑)

そんな私も「経験」を通してゆっくり成長したということ

そして「大人になる年齢」は自分で決めればいいじゃない!

二十歳で大人にならなければならないってことはない!

と言いました。

その子は目を見開いて

安心したように

「そうなんだね・・・・!」

と言いました。

このことを通してわかったのは

思春期の子どもは、
大人が考えもつかないことで悩んでいるということです。

まだ、大人の支援が必要な子もたくさんいます。

赤ちゃんのように生活のすべてのお世話をする必要はないけれど

心の支援を求めている子はたくさんいます。

子どもの心に寄り添えるような

素敵な大人を目指していきたいですね(*^_^*)

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Anastasia

Anastasia

7,000人以上の生徒・保護者と熱く生きたもと中学校教諭。 今まで思いえがいたことは100%現実化している。 プロフィールはこちら
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