見た目のコンプレックス

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活発で、運動もできて、友達の多い女子がクラスにいました。

目がぱっちりして色白でかわいらしい子でした。

でも、ある日を境に

給食時になると「お腹が痛い」と保健室へ行くようになったのです。

気になったので、給食を副担任に任せて

私は保健室でその女子と一緒に給食を食べることにしました。

しかし、その子は給食をほとんど食べません。

「どうしたの??食べようよ!おいしいよ」と言うと

「食べたくない・・・」と言います。

理由を聞くと

「太るし・・・」ということです。

「全然太ってないよ!!それに今の時期は成長期だから

ちゃーんと食べて体を作っていかないとね」

と言うと

「うん、でもお腹いっぱい・・・」と言ってあまり食べたくない様子。

どうしたのかなぁ?と思っていると

昼休みにその子の友達が保健室に来てくれて

私にそっと教えてくれました。

「実は、この間の給食の時間に、Kくんに言われたことがショックみたいで。」

ということです。

詳しく聞いてみると

Kくんというのは保健室に来ている女子がひそかに思いを寄せている男子で

そのKくんに給食時、

「おまえ、顔がデカイな!!あははははは!」

と言われたらしい。

それは本人にとっては地獄に落ちるようなショックだったらしく

その日を境に給食が食べられなくなり

顔を髪で覆って隠すようになり

伏し目がちになりました。

活発な子で、男子に蹴りをくらわせたりしていた子が

おとなしいおとなしい子になりました。

思春期の子にとって、自分の見た目は

大人が想像もつかないほど重要性をもっています。

何故なら、思春期というのは

発達段階において

自分と他人の境がはっきりし始めることにより

「他人を通して自分を見る」時期だからです。

そんな彼女らに

「友達のことなんか気にしなくていい!」

なんて言っても入りません。

友達に対する反応を変えるのではなく

自分に対する思い込みを変えていくことが大切です。

すぐに、放課後、その子を呼びました。

相変わらず髪で顔を隠しています。

放課後の教室でその子の話をじっくり聴いてみると

顔のコンプレックスのことを話してくれました。

そして、もっともっと聴いていくと

「私はみんなに好かれないし」

「〇〇ちゃんみたいに魅力無いし」

と、「自己否定」が露わになってきました。

コンプレックスは、それを理由にすることで

自分を守っているのです。

その子の場合も、話しているうちに

実は

「いつも独りぼっち」

「私はいつも嫌われる」

(その子は両親がいなくて祖父母に育てられています)

という思い込みがあることがわかりました。

なので、彼女が必死で取組んで(?)いる

「顔が小さく見えるような髪型とは?」

「痩せて小顔になりたい!」

ということではなく、

今、自分が持っている思い込みに気づき

癒していけるように話しかけてみました。

その子はびっくりしたように

「そうだったんだ・・・・」と言いました。

そして、アファメーションも教えて

(おまじないのようにね)

下校の音楽が放送される時間帯には

ずいぶん明るい顔になっていました。

それから、まだまだ友達とのトラブルがあったり

進路のことで悩んだりすることもありましたが

その度に「本当の自分に気づく」ことを繰り返して

今は、結婚して良いお母さんになり

幸せな日々を送っていると

LINEで報告してくれました。

コンプレックスが芽生えた時は

「気づき」を得るチャンスです。

今日もお読みいただいてありがとうございます(*^_^*)

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Anastasia

Anastasia

7,000人以上の生徒・保護者と熱く生きたもと中学校教諭。 今まで思いえがいたことは100%現実化している。 プロフィールはこちら
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