「いじめ」と影(シャドウ)

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今日は数回、「いじめ」についての記事を目にしました。

そこで、教育現場で20年過ごした経験から、

いじめを「シャドウ」という観点から書いてみたいと思います。

これは大変デリケートな問題なので

「私個人の経験に基づく推察」だと思って読んで下さいね。

生徒達の中でいじめが起こる場合
最初は「からかい」から発生することが多いです。

「いじられキャラ」が確立してしますと、その子はしょっちゅういじられ、からかわれます。

最初はあだ名をつけたりちょっとこづいてみたり、

その子の言動を大げさにマネしてみたり・・・

そんな感じでクラスに笑いが巻き起こります。

 

 

なのでクラスメイトも教師も始めのうちは「仲良し」だとか

「同じグループ」なんだな。という認識になってしまいます。

この「笑い」がクセモノです。

最初はちょっとからかうことでクラス全体の笑いを取っていた【いじめる側】は、

 

からかうこと、いじることが段々激化していきます。

 
今のお笑い番組の風潮(の一部)である悪ふざけや

人の特徴を笑いに変えて喜ぶこと・・・・・・・・・・・

が教室にも持ち込まれます。

 

 

こうして、担任やクラスメイトが気づかない間に

「からかい」は「いじめ」へと移行していきます。

掃除の時間や給食時、担任の居る教室では、

ただみんなでワイワイやっているように見え

【いじめられる側】もヘラヘラ笑っているので、

よっぽど注意深く見ていないと【いじめられる側】が

苦しい思いをしていることが見抜けません。

【いじめている側】に教師が「やりすぎだぞ!」と注意をしても

「ええっ??みんなで盛り上がっていただけですよ!」と言い返してきます。

 
私自身も経験したのですが、

「なんかおかしい」「いじめられているのでは?」と感じた時に

【いじめる側】に注意を促しても

「あれはふざけているだけです」

「先生、冗談通じないよなーー」

と言います。

ここで「そうなんだ」と納得・・・・・・・・・・・・・・・

してはいけません!!

こういう返事が返ってきたらほぼ100%「いじめ」への過程をたどっています。

シャドウの概念で考察してみるとよくわかります。

※シャドウとは→

人の心の中にも光と影があります。光が表に出ている「自分」だとすると
影は無意識に奥深く閉じ込めた見たくない部分です。


【いじめる側】は強烈なコンプレックスを持っている場合が多いです。

「勉強ができない」「家庭環境が良くない」「自分に自信が無い」

「自分は価値が無い」などです。

これが「シャドウ(影)」です。

シャドウなので本人達は心の奥深くにしまいこんでいます。
それを見ると死にそうなほど傷ついてしまうのを知っているからです。

しかし、押し込めれば押し込むほど、シャドウは大きくなります。

そしてそのシャドウ(影)を他人に投げてしまうのです。
(これを投影と言います)


ここでびっくりするかもしれませんが

シャドウの概念から観察すると、実は【いじめる側】と【いじめられる側】は

同じシャドウをもっているのです。

たいていそれは「私には価値がない」だったり

「私は愛されない」だったりします。

【いじめる側】は【いじめられる側】に

「私には価値が無い」「私は愛されない」というシャドウを見て
それに強烈な怒りやモヤモヤや・・・・

 

悲しいような切ないような感情を覚えてしまうのです。

なぜなら、それは自分だからです。

【いじめられる側】に自分を投影した【いじめる側】は相手を見るだけで
自分のシャドウが刺激され、苦しみます。

【いじめる側】の子はほとんどの場合、

「みんなからどう見られているか」

「自分はクラスで受け入れられているのだろうか」という

無意識の不安の中にいつもいます。

【いじめる側】の子はクラスでは力をもっていて

「強い」子だと思われているのですが、

心の中は(本人も気づいていないことが多いですが)

こんなにも臆病で弱いのです。

 
こういう状態ですので

同じように無意識で自分のことを「価値が無い」「愛されない」と感じている

【いじめられる側】の子を傷めつけたくて仕方がなくなります。

そして暴言や暴力を加え始めます。

ここで教師が気づいて【いじめる側】に指導を入れると・・・

決まって「あいつ見てたらイライラするんだよ!!!!」

「だから殴りたくなるんだ!!と答えます。

 
【いじめる側】は【いじめられる側】に自分のシャドウを投影して

いじめをエスカレートさせます。

そしてそのいじめにより

【いじめられる側】をクラスから孤立させます。

これは【いじめる側】が、潜在的にもっとも恐れていることです。

 

それを投影している相手にやるのです。

この行為は、実は「自分のシャドウを傷めつけている」行為であるとともに

【いじめられる側】の子を孤立させることによって自分たちは団結し
クラスでひとりぼっちにならない為の策でもあるのです。


なんせ【いじめる側】は自分を「価値の無い人間」だと(無意識で)思っているので、誰かをいじったりからかったりすることで笑いをとったり、目立つことをしないとクラスにいられないと感じているのですから・・・・・。
シャドウとは目を背けるほどに強大なものとなり
私たち人間ををおびやかします。

シャドウはそれに気づくだけでも拒否反応が生まれるようなものです。

でも、勇気をもって自分のシャドウを見つめ、受け入れていくことで

光が広がります。

ますます魅力的でパワフルな自分になるばかりか
眠っていた能力が目覚めることも起こります。

 
シャドウが無い人はいません。

人生を大きく変えたいと思う人こそ、

自分のシャドウを見つめてみてはいかがでしょうか?

 

 

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Anastasia

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7,000人以上の生徒・保護者と熱く生きたもと中学校教諭。 今まで思いえがいたことは100%現実化している。 プロフィールはこちら
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